誘拐犯は私の彼氏!?
「あのー、誰ですか?」
数メートル離れた位置から、私は声をかけてみた。
だってここは、私の隠れ家。
家族だって誰だって、ここの場所は知らないはず。
嫌なことがあったときの、私の安らぎの場所なんだから。
名前も知らない、見たこともない。
第一印象は、目線の鋭い怖い人。
そんな人が、私の安らぎの場所を横取りしてる。
こんなことが起きて黙ってるほど、私は心が広くない。
悔しくなって、声をかけたんだ。