呪いの手紙
「楽しいのがここなのよ」
ニヤニヤしながら桜が言う。

「手紙を渡す時が重要なのよ。」

「いや、手紙を詰めるとき…カナ」

“手紙を詰める”


桜はそこで言葉を終わらせあたりを見回した。






「手紙を詰める時ってなんだよ。」


痺れをきらせた俊一郎が言った。

「あのね、、、」

俊一郎に声をかけられうわずった猫なで声を出しながら話を続ける。

『桜って本当俊一郎が好きだよね。』

小声で隣の織姫に言う。

「うん…。」

凄く言葉を選ぶようにアタシの顔を見て織姫が頷いた。

俊一郎はアタシの彼氏だから。

桜は気付いていないけど。

「…手紙は死ぬ直前にするから。」





















“死ぬ直前にするから”
















カシャン



あたしの手からスクバが落ちた。









『どうやって?』













それがやっと絞り出した声だった。







「決まってるじゃない。


















ナイフでさすの。」


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