魂のキーホルダー
冒頭に書いたはずだ。俺の目が相当オカしくない限り、キーホルダーには何も彫られていなかった。しかし今はキーホルダーの中央に『strategy』という文字が彫られている。
突然光った上に、文字まで浮かび上がっちゃって…
「寝るか!寝よう寝よう!おやすみ!」
キーホルダーをテキトーに投げ、勢いよくベッドに飛び込み、頭から布団を被った。あー、雨の中、傘なしで歩いて帰ってきたのが間違いだったんだな!幻覚見るような風邪引いちゃったよ!こんな風邪聞いたことないな!寝て目が覚めれば、キーホルダーは元通りってわけだ!きっとそうだ!
「…投げるなんて…あんまりですよぅ…」
あれー!?おっかしいなぁー!?女の子の声がするよー!?俺には姉も妹もいないし、彼女も当然いない!!もし、何かの間違いで俺に彼女がいたとしても、こんな幼い声の彼女な訳がない!多分小5か6ぐらいの声だぞ!?俺は高1だから、小5、6の彼女いたら完璧にロリコン扱いされるじゃねぇか!!絶対幻聴だな!うん、幻聴に違いない!風邪引いて、幻覚と幻聴の症状はよくある、なんて聞いたことあるわけねぇけど、あるってことでもういいや!これは風邪だ!寝れば治るさ!
「幻覚でも幻聴でもないですよ」
おいおい!!ちょっと待ってくれよ!?俺の心の中の言い訳、読まれちゃってんじゃん!?「」←ついてないじゃん!?なんで!?どうして!?
「それは自分の目で確かめて下さいな」
口調和らいだ!?元からかなり穏やかだったけどね!!待てよ!?罠だ!!これは罠だ!!なんて某有名漫画の1シーンパロってる場合じゃねぇ!!
…こうなりゃ仕方ない…
覚悟決めてやるッ!!
「うぉおォォォォ!!」なんて言いながら布団から威勢よく飛び出た。
目の前には見慣れぬ少女が。
「あの…どちらさま?」
さっきの威勢はどこへやら。恐る恐る聞く俺。
第一、俺はこんな人知らない!!そもそも俺の身近に『銀髪』で『碧眼』で『妙なアクセサリー』つけた人なんかいないし!!やっぱり見た目も小学生じゃねぇか!!違う!!俺はロリコンじゃない!!信じてくれ!!
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