蔓薔薇

愛の告白

「どうして、泣いてたの?」

一番最初に言葉を発したのは
アキラさんだった。
 
優しく私を見つめて、少し
聞きにくそうに話す彼に
私は、何も答える事ができない
  
彼が愛している人・・・
それは、セリナさん。
 
私の愛に、決して彼は
答えてはくれない。
 
その事を、私は知っていた。
 
それなのにわざわざ、この胸の
想いを彼に伝えてまで今の関係
を壊す必要は無いように思えた

この関係を崩す事だけは
避けたい、一人ぼっちの孤独に
苛(さいな)まれた日々には
戻りたくない。
 
それに今の私は、頭も心も
混乱していて、何をどう話せば
いいのか・・・わからない。

彼の真剣な眼差しに、戸惑う私
を見かねたイサオさんが、私の
言えない言葉を伝えてくれた。

「ミオちゃんは
 おまえの事が好きなんだ」

「友達として?」
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