SWEET&HOT~甘いのと辛いのと~
その子こそ、まさしく皐月だった。



手を上げているのは皐月ただ1人。



瑠莉は怪訝な顔つきで皐月を見る。



何も皐月が一目見てわかる変人だから怪訝な顔をしたわけではない。



瑠莉が何度も会っている製菓会社の若社長の顔にそっくりだったからだ。



「…それじゃあ、高橋さん」


高橋!?



瑠莉はその苗字にますます眉をひそめた顔になる。



皐月は音をたてながらも、静かに立った。



瑠莉を見る目は、本当にキラキラしていた。



「あ、あのっ!好きな食べ物は何ですか!?」



瑠莉もシスターも、恵子も翔も由香も、クラスの皆、心の中のツッコミは同じだった。



…お前は小学生か!?



とても進学校の生徒とは思えない質問に、皆…特に瑠莉は呆れていたが、質問は質問、きちんと答えることにする。



「…ベリー系が好きです」



「ベリー系って言ってもいろいろあるでしょ?その中で一番は?」



瑠莉はいたって冷静に…真面目に考え、答えた。



「クランベリーやラズベリー、ブルーベリーも捨てがたいですけど、一番はビルベリーですかね」
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