【短】Santa claus




「はっ…くしょん!!」


超寒い。

風邪をこじらせたあたしは、学校を早退することにした。


熱もあるようで、フラフラと靴箱まできたとき、あたしはあることに気が付いた。


「……最悪」


マフラーと手袋を教室に忘れてきてしまったのだ。

けど、わざわざ取りに戻る気力もない…。


我慢して帰るしかないか…と諦めかけたとき。


「大丈夫?」


声をかけてきたのが三多だった。

一年のときはクラスも違って、全く関わりがなかったのに。


「顔真っ赤じゃん。風邪?ん…?マフラーとか持ってないの?」


震えてるあたしを見て、すぐに気付いた三多。


「……教室に忘れたみたい」


「あーあ。それじゃ悪化するよ?あ、そーだ。これ使う?」


え…?
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