あなたのメール、代行します。
 あなたのメール、代行します、か。え、なにそれ? どゆこと? ぬか喜びですか? 女の子からだと勘違いした俺がバカだってことですか?


 大仏の人がニヤニヤしながらサークル室に戻ってくる。


「ふー、彼女から電話きちゃってまいったぜ。ナイト、待った?」


「テメエなんか待つわけねえだろ、クソグダグダ野郎!!」


「ちょっ、ちょちょーい! ……ひどくない?」


「どうせ俺にはメールなんかきませんよーだ。どうせ俺は、かっこ良くて、面白くて、優しいだけのダメ人間ですよーだ」


「ちょっ、ちょちょーい! それ完璧な人じゃん! 完璧すぎて、もうなにも言えねえ、じゃん! さてはなにかあったな。その手に持ったケイタイを見せてごらん?」


 大仏泥棒は、見せてごらん? とか言いながら、無理矢理俺の携帯を奪う。

別にいいっすよ、見ても。バカにすればいいじゃん。

てか、よくよく考えると代行サービスってなんだよ。


「へえ、良かったな、ナイト。チャンスじゃん」


「なにがチャンスなものか。あまりにも俺が可哀想だから、恋ファンの人が気をつかってくれたんだろ」
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