氷の女王に誓約を

ドンドンドンと連続ノック。喧しい、喧しいぞクソガキ共め。


怒りを押えながら鍵を解除して扉を開けると。


「……チビ助とジュニア?」


俺より頭一つ分ほど小さい、ジュニア選手の小僧が二人立っていた。


あ、チビ助はシニアだけ。うっかりうっかり。


相手が大介なら容赦なく叱りつけてやろうかと思ったが、二人の様子があまりにもおかしいので言葉が詰まってしまった。


大介は顔を真っ赤にしたまま、眉間に皺を寄せて怒り心頭といった様子。


対して朝飛は、顔面蒼白といった感じで瞳は潤んで今にも泣きだしそうである。


いや、泣いてたな。頬に涙の跡がある。


全く正反対の二人。そして俺はふと思う。


(また面倒なことに巻き込まれたな~)


と。
< 135 / 400 >

この作品をシェア

pagetop