ジキルハイド症候群



「誰からだと思う?」

「そりゃあ愛しの恵里ちゃんからでしょ?」

「………だったら良かったんだがな」


ボソリと呟いた声は那祁には届かなかった。俺は立ち上がると廊下を目指して歩き出す。


「どこいくの?」

「保健室」

「なんで?」

「待ってるってさ」


そう言って俺は教室を後にした。


「――――なんか、ピリピリしてたな」

「うん、また何かあったかなぁ?」









―――――――――――
―――――――


どうしてくれようかと思う。
いい加減、片付けてしまおうか。
恵里の妹だが、もうどうでもいい。


保健室までの道のりが嫌に長く感じる。


そうだ、これが終わったら恵里に会いに行こう。
体調悪い時は、何が良いんだろうか。


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