桜の葉
光兄ちゃんのコトは、今でもオレは大好きだ。


兄ちゃんは死んじゃったけど、朔良ねぇちゃんだけはずっと兄ちゃんを忘れないでくれてる。




……良いな。




オレは、フッと息を吐いた。


そんなに、誰かに想われてて。



オレがキスしても、朔良ねぇちゃんにとっては、たいしたことないみたいだ。

……もしかして、光兄ちゃんとしたコトあるのかな……。



オレは、テレビの画面だけを、ただ見つめた。

朔良ねぇちゃんが帰った後の家は、奇妙なくらい静まり返っていた。

暖かいと感じたリビングも、急に寒々として。




オレは、最近、この家が大嫌いだ。
広い部屋に、独り。

父さんは、帰って来ない。



朔良ねぇちゃんに、昔みたいに
『帰らないでッッッ』
って叫べたら良いのに。


朔良ねぇちゃんは、今、何してるのかな。


オレの世界には、朔良ねぇちゃんしか居ない。



オレは、上着を着た。
そろそろ、亮介が迎えに来る。

解っては、いたんだ。





……朔良ねぇちゃんが、どぅ思うかくらい。






でも、オレは、今の淋しさを紛らわすコトしか頭になかった。

< 27 / 70 >

この作品をシェア

pagetop