桜の葉
衝撃的な事実は、もぅひとつ。

カミサマは意地悪だ。
って言うか、本当に居るのか?




光と葉のお父さんが来て。
おじさんは、葉を抱きしめた。

それから、アタシを見る。



「朔良……ありがとう。」





無理に作った笑顔。
おじさんは、もっと柔らかく笑う。


アタシは、首だけ横に振った。








連れて行かれたのは、暗い場所だった。
ドラマの中でしか見たコトない。

そこに、おばさんは静かに横たわっていた。






アタシは、解ってた。
おばさんが、治療室に居なかった時点で。


だけど。


目の前に居るおばさんは、本当に、寝てるだけみたいだった。


「母さんっ!!」

葉が叫んだ。


「母さんっ?寝てるのっ?」



葉は、駆け寄って、おばさんの身体を揺すった。


「起きて帰ろうよっ!!」



葉は泣いている。
葉も、もぅ解ってる。



おじさんが、おばさんに近付いて……手を伸ばした。

震えているのが解る。



「……日向子……。」





小さく名前を呼んだおじさんは、おばさんの手を両手で包んで……肩を震わせていた。


アタシは、泣けなかった。

< 6 / 70 >

この作品をシェア

pagetop