恐 話
健「つーばーさー!早くしろ!俺まで遅刻するだろー!」
俺は窓から嫌々、顔を出し、
「わかったよー。……ったく面倒臭いな……」
と呟いた。
健は幼稚園からの幼馴染みで、
頭脳明晰、運動神経抜群、しまいにルックスもかなりいい。
性格は多少ワガママなところがあるが、それをスルーしてやればいいやつである。
「待たせてわりーな」
俺は狭苦しい玄関からだるそうに出ていった。
健「本当だよー。もーあと62分で遅刻だよー」
「まだまだじゃねーかよ」
健「ばれた?」
いつもこんな調子だ。
俺たちは時間に余裕をもって徒歩10分の学校に向かった。