-bw-



...今日も晴れている。
眩しさに目を細めるほどに。

このbwの世界が開発されて今日までの5年間。
一度も雨が降らない。

『当然だよな。』

俺は一人でつぶやいた。

20歳の時にこの世界が出来て、それ以来他の人々と同じようにここで過ごしているが、何も楽しい事が無い。

だが現実世界に戻ったところで、活動をせずにヘルメットを被っているだけの植物人間のような人達がいるだけだ。

...なぜみんな飽きないのだろう。
俺は常に考えていた。

確かにこの世界では金もいらず飯も食える。
不思議だが、なんでも満腹中枢を刺激して腹を満たしてくれているらしい。

他にも現実世界以上に楽しめる世界になっていることは確かに俺も納得できる。

国にとっても完全に全国民を管理できるこの世界はいいことだらけなのだろう。






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