**秘密時間**

薬指の真実


「お前も会いたいって言ったよなぁ…あれ嘘かよ!!」



「…ごめっ…ごめん…ひっく…なさい…うっく…」



悲しくて切なくて涙が溢れた。



「何で泣くんだよ…わかんねーよ」



わからないのはあたしも同じだよ…



肩を押さえていた手が力なく離れていく。



「…えっ」



ゆっくりと離れていく左手の薬指に、リングは輝いていなかった。



あたしの視線に気がついた京介が「はっ」と小さく笑った。
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