この涙を拭うのは、貴方でイイ。-大人の恋の罠-


この道筋だと、尭くんの小言を聞けない方が堪えているではないか。



ああダメ、本当に分かんない。朝イチでドンマイ私発動だわ――…



「おはようございます!」


「望未ちゃん、おはよ」


モヤモヤ気分で銀座店にやって来ると、曖昧に微笑む里奈さんはワケ知りのよう。


本社勤務だしチーフと同期なのだから、情報が伝わるのも無理もないだろう。


とはいえ、とりあえずココはすべてから解放される素敵な場所ではないか。


安息の地にホッとし仕事へ入った私は、開店間際の静かな店舗で裏方業務に徹した。


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