恋人の終止符。
恋人の終止符。



「ちょっとー、そこ邪魔だからどけてよ」



天気のいい日曜日の朝。



あたしは、散らかった部屋に掃除機をかける。



「んー…あぁ」



床でゴロゴロ、雑誌を読んでいるヒロキを、足で突いた。



それでも動こうとしないヒロキを無視して、別の場所へと掃除機を持っていく。



「お前、絶対口うるさい母親になりそう」



いつの間にか体を起こしていたヒロキが、あたしの背中に向かって言う。



「うるさくさせてる奴が言うなっつーの」



その後もヒロキはなにか言ってたけど、掃除機の音で聞き取れなかったので無視した。



こんなダラダラした日曜日が、ここ数年で何回あっただろう。



平和ボケしてしまいそうだ。



いや、もうすでに平和ボケしてんのかな。



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