三日月の涙
欠片達の部屋
 
「ん....。」
体が、というか頭が重い。
随分長く寝ていたみたいだ。
 
あー、早く起きなきゃ。
仕事場に行かないと、また先輩に遅刻だって叱られちまう。
俺はゆっくりと体を起こした。 
 
 
「.........あ?」
 
ここ、どこだ?
 
確か俺って、昨日仕事終わって帰って、普通にシャワー浴びて、すぐ寝た...はずなんだけど。
 
眼前に広がるのは狭くて散らかった俺の部屋じゃなくて、広くて小綺麗な部屋だ。
 
白い壁、焦げ茶のフローリング、木製の家具。
どれも新しいみたいに手入れされてて、どうやらここは、あまり使われてない部屋みたいだ。
 
取り敢えず部屋を出ようかと思ってベッドから立ち上がると、控えめなノックの後に、ガチャッと扉が空いた。
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