お姫様の苦悩
どうやって素性を探るのかと、言えば財布から飲み放題チケットを取り出し今すぐ電話しろなんて、わくわくした笑みを向けられちゃ断るなんて到底できなかった。





このままの姿で行けばバレると言う美和に、仕事終りに服を渡され化粧も施されてしまった。





美和の妹さんが、キャバクラ勤めみたいでとんでもない露出した服は今すぐ脱ぎたくて仕方がない。




それを戸惑いも躊躇いもなく、身に付けた美和には感心すら覚えた。





用意周到にウィッグまで持って来て、付け睫は付けられるわ、パンダの如く目の縁をアイラインで何度も囲まれ、鏡を見た時には絶句した。





仕上げにとばかりに、甘ったるい鼻の奥が痛くなる香水をつけられ満足気な美和と打って変わり私は帰りたくて堪らなかった。




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