お姫様の苦悩
この前、姉の電話を無視したからお仕置きを受けた悠貴。





譲さんと姉は同じ会社だし、姉の事だから無理矢理聞き出してそれを悠貴に言ったのかもしれない。




「何も言ってなかったよ。」


「じゃあ、なんで隣に行こうなんて言ったの?」


「隣じゃなかった?俺が玄関で待ってた時、蜜姫ちゃんをえらく見つめてたし、もしかしてと思ってわざと抱きついたら微かにだけど顔をしかめてたよ、若王子さん。」




名前まで知ってるなんてと少し怖くなったが、たぶん表札を見たから知ってたのかも。





「確かに文句なしの外見だったね。だから中身を見極めなくちゃね。」


「今日は会わない。絶対邪魔するし、いちゃもんつけるつもりでしょ?」


「当然。」





ダメだ―――――マンションでは会えない。





嫌だけどもの凄く嫌だけど、譲さんの連絡先知らないから姉に頼むしかない。





やっと自覚したのに……それから先へ進むのは前途多難。




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