汗と涙と陸上部

2つの再会

気持ちの良い空の下、今日は風間学園の入学式。

黒木あずさ、15歳。陸上の強い、この風間学園から推薦で入学。

風間学園は毎年全国大会で、長距離・短距離のどちらも優勝するほどの、強豪校。

そう思って、きれいに晴れきった空を見上げた。

「本当にきれい・・・。」

声が出てしまうくらい、きれいな空だった。

「あず?」

え?振り返ると、そこには・・・。

「優!!」

中学の頃、同じ中学でリレーメンバーだった、沢村優が立っていた。

「やっぱりあずだ!」

「久しぶり!!」

「うん!」

なつかしい。同じ高校だったんだ!・・・優は、何組なんだろう??

「優ってさぁー、何組?」

「え?あたしは2組。」

「ま、マジ?」

「まさか、同じ組?」

私は嬉しくて、ブンブンと首を縦に振った。
2人でキャーキャー言っていると、あっという間に教室に入らなければならない時間になった。

教室に入って席に着く。残念ながら、優とは席が離れていた。キョロキョロとあたりを見回すと、教室の後ろの方がざわついた。

どうしたんだろう?

「ねぇ、あれって黒木あずさじゃない?」

「え?あの全国大会の中学3年女子100mで1位を取った?」

うっ、気づかれてる。できるだけ目立たないようにしてたのに・・・。
私は、そうやって騒がれるのは大嫌い。

嫌だなーと思っていると、隣の男子が話しかけてきた。

「もし、お前が黒木あずさなら、俺のこと知ってるだろ?なんて、よっ、久しぶり♪」

「あっ。」

話かけてきた男子、それは・・・。

木川陸。
同じ中学で、全国大会、中学3年男子100mで1位を取った、木川陸。

真っ黒で短めの髪の毛、背は175くらい、ムダな筋肉がついていない細い腕、茶色のきれいな瞳。

じーっと見つめていると・・・。

「なに見てんの?」

「え?あ、ごめん。」









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