コール ミー アゲイン~そらへこの想いが届くように~
決定打
―なにを言われても―


 もう、私は感動してしまって、がんばってイイコを産まなくてはと思った。


 あと、二日もしたら堕ろせなくなるところだったので、私はよっちゃんに感謝した。


 いざ、というときに私を呼んでくれたことを。


 あれから、彼の、ううん、私のもうひとかたのお義父様は移動するときは、さすがに助けが要るけれど、寝たままよりずっといいらしく、顔色も良くなられたそうだ。


 医師もこれなら、と言って、通院に移行するのを認めてくれたのだそうだ。


 うちのママはというと、


「赤ちゃんですか? ええ、気づいてましたよ。朝に体温を測るのを止めてから、急にふわふわしたシフォンのワンピースを着るようになって、それまでのヒールもサンダルも放っておかれて。そういう、一種のサインをね、母親だけは見逃さないものです」


 つつましやかながらも両家の初顔合わせのあと、彼のお母様としゃべっていたので驚いた。


 そして、いざというとき、私が誰をも頼らず、一人で産むと言い出すのを一番に心配してくれていたことも。


 よっちゃんと私は入籍だけ済ませ、学校を休学した。


 ミーナは、親友の私がいなくなるというのに、どこ吹く風。


『なあんだ別れてなかったの? 彼、お金持ちそうだから、こっちへくればよかったのに』


 ですって!


 それで、熱心に男子を紹介してくれてたのね。




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