コール ミー アゲイン~そらへこの想いが届くように~
―経験豊富な熟女のように―


「二人ともソッコーで来て、ソッコーで帰って行った」


「なにあの俺様なやつら~。むかつきMAX」


 二人は代わるがわる言ってくる。


 これだけはメールじゃわかんないニュアンスが伝わってきた。


「あんたの幼なじみ? ミーナって学園祭のとき、飛び入りでミスコン制覇したって言うじゃん。男なんか、あたしらみるなり、アテがはずれたって顔よ。超、失礼」


「そんな、男なんていくらでもいるんだから、深刻にならないで、ね?」


「悪いけど、マリーの要求って昔から高いんだよね。

あたしんちでパジャマパーティーはいいネタだけどさ 

オムレツに絵描いてケチャップこぼしただの 枕投げして怒られただの、

細部にわたってフォローしてんだよ、あたしら」


 うん、先生にばれたら大変だしね。


 親にもバックれてるのもそういうわけ。


「この埋め合わせはするから。男子のメアド、今すぐ送る」


「もういいよ。イケメンとかモテメンとかって、中身サイテーだよね。

 少し可愛い子とみるとがっついちゃって。さっきナンパしに行ってたよ。

 あたしらふった後」


 なにやら経験豊富な熟女のようにキナコが言った。


 まあ、高三程度では精一杯の見栄だ。


 でも二人とも、充分にカワイイと思うけどなあ。


 自覚ないはずないと思うけどなあ。








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