雷の薔薇 エクレールローズⅠ

聖杯

さすがにエクソシスト…。動きが素早く、斬りかかるのが隙なく銀の短剣が心臓を狙う。






「まるで踊りのようね。」





赤い唇は楽しむように攻撃をかわす。






壁際に追い詰め…。詠唱を…。
「聖なる輝きは悪を滅したまえ…。神と聖霊の御名に置いて!」





青の輝きを発したレイピアが飛んでいく。






「!」






バサリ!






しかし…。翼をかすめ羽が落ちる。






悪魔はいない。






木の下に…。赤い唇が動いた。






「シーラ…。」






囁く声に鈍く光カップを渡す…。






カップが宙を舞う…。
神父様は悪魔に体当たりでシーラから引き離さす。






レイピアが心臓を刺す。





「!」






「悪いけど今は消えないよ。」






バリバリと光を放つサーベルがレイピアを受け止めていた。






「あの子に何をした?シーラを自由にしろ!」






レイピアに力を込める。





金の瞳は見つめる。






「貴方死ぬつもり?」






レイピアは弾かれ地面に倒れる。形成は不利になった。






金の瞳は見つめる。






「貴方…。似てるわ…。そういうとこ…。嫌いよ。シーラは渡さないわ。」





ざぁと赤い…。花びらが散る。






「これは諦めてあげる…。あしなが神父様はせいぜいその子を守ることね。」





カップが転がり悪魔は花びらと共に消えた。






「エクソシスト…。次に会ったらその魂貰うわ。」






声は闇に響いた。






どこか遠くで雷雨が降っている…。
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