さよならマイヒーロー

「それはまさかと思うが、先生と変態を言い間違えてるのかそれとも自分を変態だと主張してるのかどっちだ」

「そんなのあんたに決まってるじゃ~~~~~~~」

「先生」

「なんだ高岡」


がばっと南の口を押さえ込みつつ、高岡がへにょっと笑った。
顔を真っ赤にして南が高岡の腕をばんばん叩いているが高岡は至って普通にしゃべってくる。


「南、頭の調子が悪いんで保健室行ってきます」


それはどんなに保健室の花田先生が優秀でも治すのは無理があるんじゃないかと思わんでもなかったが、行け行け行ってこいと無言で手を振る。

面倒が消えるんなら、それで問題ない。

暴れる南を高岡がなだめすかして教室から連れ出していく。

ありえないくらい無言で高岡と南の消えていった方向を眺めているかわいい生徒たちにも、その集中力と結束力を違うところで発揮しろよお前等と言いたい。



「というわけで、解散、課題の提出明日だからな。遅れんなよお前ら。1秒でも遅れたら再提出だからな、俺の仕事増やすなよ」


はいはい解散と手を振ればひどい沢田せんせーおーぼーだとぎゃんぎゃん騒がれる。
お前ら横暴って絶対漢字で書けないだろ。

っつうかこれ、社会に出たら当たり前のことだからな。指導してくれる俺に感謝しろ。

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