傷だらけのラブレター



時々、思う。



私と直也が、出逢わなければよかったのに、って。



そうすれば、こんな想いはしなくて済んだし、私は悩むことなく生きていけた。




「…愛未?」

『……。』




今からでも、遅くないから。
まだ、間に合うから。




直也だけ、そのまま。



私をこの世界から、なかったことにしてほしい。




「……愛未!」




バンっ、と。


美嘉が机を大きく叩き、声を少し荒げた時。



同時に肩を思いっきり叩かれて、私は我に返る。



今、何を考えていたんだろう…。




< 11 / 459 >

この作品をシェア

pagetop