傷だらけのラブレター



――…信じられない。



つい最近までは、言葉さえ交わさなかったのに。


つい最近までは、話しかけることでさえ、躊躇うぐらいだったのに。




こうしてまた、直也の後ろを歩けることが夢みたいだ。




…すごく、すごく嬉しい。





「……あ。」




何かを思い出したように、突然立ち止まる直也。



そんな直也を、私は黙って見つめる。




『……?

どうしたの?』




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