傷だらけのラブレター




――…あれから、数年が経った。




高校卒業と同時に会わなくなった浅野目くんだけど、さっき偶然の再会を果たし、今はこうしてお茶をしてる。




お互い大人になった私たちは、あの時の話を笑って話せるように成長していて。



今歩んでる道とか、あの時の話とか、他愛もない話を話していた。





『じゃあ、浅野目くんは最初、私を助けたかったわけじゃなかったんだ。』




これは当時、ずっと気になっていたこと。



関わりもない浅野目くんが、どうして私にあそこまでしてくれたのか…、あの時の私に、理解できるはずもない。




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