傷だらけのラブレター



『……。』




こういう時、何をすればいいんだろう。



直也と一緒にラブレターを読むのは論外だし、変に話しかけるのは不自然な気がする。




――…それでも。



何かしてないと、菜穂ちゃんへの嫉妬で押しつぶされそうな私は、気を紛らわすように、口を開いていた。




『もう、突然渡されて困ったよ~。』

「……。」




今思えば、これが全て間違えだったんだと思う。




『この子、可愛くて、いい感じだったよ?』




< 79 / 459 >

この作品をシェア

pagetop