傷だらけのラブレター
まだ完璧に冬を終えてない冷たい風が、私の髪を揺らす。
冷たい。冷たいよ。
涙に濡れた頬が、冷たい風に当たって、肌寒い…。
―…強く、なろうと思った。
誰にも負けたくなくて。
病気になんか負けたくなくて。
1人でも生きていけるように強くなろう、って。
幼い時に心に誓ったの。
『…これ、どうしよう。』
涙を飲み込むように、口に出てきたのは独り言。
私の右手には、ラブレターの欠片が握られている。