猛獣に射抜かれる様な愛
「そんな事はどうだって良い。今更知って何になる?」
「…それは」
「過去に縛られてないつもりかもしれねぇが、結局は縛られてるのなお前。自覚したらどうだ?」
「…放っといて。貴方に関係ないでしょ」
結菜は掴んでいた胸倉を無造作に離せば部屋を出て行きリビングから繋がるキッチンへと入って行く
矢斗はそんな結菜の後ろ姿をじっと見詰めていた
“何故知ってるのかって?世の中知らねぇ方が良い事もある”と矢斗は脳裏で思案していた
“まぁ、俺には関係ねぇが。話した所でお前の情緒が不安定になろうが泣き喚こうが俺の知ったこっちゃねぇがな”