夢幻の姫君
次の日、学校があったために早起きをした。

「眠いぃぃ・・」

ボーとしたまま母さんのところに行き朝食を食べていると、いきなり母さんが

「父さんは駄目って言うかもしれないけど、好きだと思ったらやりなさいね!!」
「・・・ナニを」
「避妊はしてもらってね?」
「ぶっ!!」

物が詰まった。なんて事を・・・ 朝食中に、しかも実の母からとか生々しい・・・

「そんな事言わないで!!」
「ごめん~ でも心に従って?」
「それって本能のまま、みたいな・・・」
「そこは、任せるわ。 あ、遅刻よ?」
「え゛・・・」
「黒髪にしておきなさいよ~」

私は慌てて家をでた。そして慌てて黒に戻す。

 そうだ!!ののに訊くんだった。 いるかな? 答えてくれるかな?

・・・それを言って彼女はそばにいてくれるのかな?
・・・“私”を知って、一緒にいてくれるのかな?

 不安が、心に渦巻いていた。
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