夕陽


「「・・・・・・!!!!」」


すぅぅ、と怪我が消えて行く。


「お前、怪我したときもこんなんなってなかったのか?」


「え?わかんない。怪我なんて滅多にしないし、しても絆創膏ずっとつけっぱなしなだけだし。
気がついたら治ってた、的な?」


小首を傾げてはい、ポーズ。


「うぜぇ。やめろ、それ。ていうか面倒臭いな。いいじゃねぇか一発位かましてこいよ?
そんなに嫌がる程のモンじゃねぇよ」

面白そうに土方が言う。
「ひひひ!酷い!外道!鬼畜!万年発情期!
土方なんか恋する乙女の気持ちなんか分からないんだァ!」


わぁわぁとほざいてやったぜ!どうだ土方!


「あ?誰が恋してるの?誰が?誰に?」


お願いそんな冷めた眼で見ないで汚れるから!

「声にでてんぞ?死にたいのかてめえ。」

「別にさぁ?あたしだって!好きで鬼やってる訳じゃないんだよ?それをあんたはぎゃあぎゃあとさぁ?あたしだって一応乙女なんだよ?」


「おいてめえ今日初めて自分の正体気づいたくせに何長年修行積んだ人みたいに言うのやめてくれない?腹立たしいから。」


・・・・。
ちーん。敗北。言い返す言葉も御座いません。


「・・・でも、嫌だよ。怖い。確かに栄太郎は格好いいよ?でもあたし前にもいったとおもうけどさ、土方さんみたいに経験豊富じゃないんだよ。
まだ異性に対する好きって気持ちもわかんないのに、抱かれたくない。」

俯きながら、言う。
本音は言えた。

「そうか。ならそうすりゃあいい。後は俺が全力で守ってやるよ。
お前は安心して寝てりゃあいいよ。」


わしわしとあたしの頭を強引に撫でる。
何故かとても安心できた。


「ありがとう。土方さん。あたしは、ここにいていいの?」

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