夕陽





「・・・・!!!栄太郎?!目ぇ開けて!なんで・・・っ死ぬ、の・・・。なんで生き返らないの・・・。」


智咲の問いに答える者は、もういない。




「・・・ち、さき・・さん。はぁ・・・、な、んで・・。ここ、に。」



声のするほうへと向き直る。
智咲の声を聞いて今やっと智咲の存在を確認したのだろう。



「・・・ッ!総司さん?!大丈夫ですかッ!!息できますか!・・・そうだ!血・・・飲んで!早く!」


ボロボロの着物を少しだけ脱いで、首筋を出す。


「だ・・・め、で・・・はぁ、はぁ、のみ、ませ・・んっ・・・ガハッ!」


苦しそうに顔をゆがませている。


・・・息ができないんだ。


「待ってください。今すぐ、人工呼吸を・・・!」



すぐに総司さんを仰向けにさせて、人工呼吸をする。何度も何度も息を吹き込む。






「もう大丈夫かな・・。早く血、のんで!!」



智咲は急いで首筋を少し深めに斬り、沖田の身体を起き上がらせて、顔を首筋のところまで持っていく。



沖田は、少しずつ流れていく血を舐める。





ダダダダダダ!!!



「智咲ッ総司!大丈夫か!!!」




土方たちが部屋に入ってくる。


襖は智咲が先ほど蹴飛ばしたので、ない。




「総司さんが・・・!吐血して・・!」



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