微笑みは瞳の奥へ(更新休止中)

メイドの格好をした不審者はにこりともせず、少しだけ目を細める。

「家政婦です」

「かせいふ……え?」

つまりメイドって事だと思うけど、どう違うんだろうか。

「つまりハウスキーパーです」

「はあ……」

言い方を変えただけで、メイドもハウスキーパーも似たような物だと思うんだけど。

いや、そんな事より。

「新しいお手伝いさん? 母さんから何も聞いてないけど」

そう言うと、メイドの格好をした自称ハウスキーパーの無愛想な不審者は、

「これが机の上にありました。ぼっちゃん宛てだと思います」

と、一枚の紙を俺に手渡し、そのまま背を向け客間の方へ行ってしまった。

いや、質問の答えになってないし!
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