微笑みは瞳の奥へ(更新休止中)
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学校から家まで、自転車で40分の距離。

徒歩で、しかもパンクした自転車を押しながらとなると、当然倍以上かかる。

家の近くに来る頃にはすっかり空が暗くなっていた。


芳野さんは……

あの人は、心配とかするのだろうか。

遅くなった理由を何も聞かずに、

「おかえりなさいませ、ぼっちゃん」

とか、涼しい顔で言いそうだ。

そう考えると、何だかおかしくて口角が自然に上がる。


彼女はそれでいい。

今だけは……余計な事を聞かれたくない。

無関心で、何事も無かったかのように接して欲しい。



俺を心配する芳野さんとか……逆に、怖いし。
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