あひるの仔に天使の羽根を

「悪魔…悪魔は…一体何だ?」

ぶつぶつと言い出した俺を奇妙に思えたのだろう、芹霞が変な声を出した。


「悪魔は…天使の反対?」


よく考えてくれたんだろう。


怒る気にはならないが……"反対"?


「そうだ、反対。二元論!! 芹霞の邪痕が生命の樹に連携していても、所詮は聖邪。対立するものがどうして連携出来る!!?」

それを潰しにかかっている玲達。

それを妨害しない白皇。


「まだ…あるのか、意味が」


連携だけではない、邪痕の意味が。



「つまり、こういうことだ」


氷皇が、俺が書いた生命の樹の簡略図を、半回転させた。


「逆さま、だ」


「!!!」


俺は持てる知識を最速で蘇生させ、再度遠坂に悪魔の名前を言わせた。


「"邪悪な樹"か!!?

セフィラと対になる悪徳…クリファ10個にて描かれた、生命の樹とは真逆に生えるとされる正反対の樹。振られる番号は虚数(i)。

1iの"無神論(バチカル)"はサタン。2iの"愚鈍(エーイーリー)"はベルゼブブ…」


俺の言葉を氷皇が続ける。


「3i"拒絶(ショリダー)"ルキフグス。4i"無感動(アディシェス)"のアスタロト。5i"残酷(アクゼリュス)"のアスモデウス。6i"醜悪(カイツール)"…ベルフェゴール。7iは"色欲(ツァーカブ)"バール。8iは"貪欲(ケムダー)"のアドラメルク。9iは…リリスで"不安定(アィーアツプス)"。最後はナヘマー…"物質主義(キムラヌート)"。

して、その心は?」


――神を信じぬ桜、愚鈍さを嘆く煌、残酷さに怯える玲、貪欲な坊、拒絶する芹霞。無感動の久遠、美醜に囚われた須臾、心が不安定な千歳、禁断の色に走る柾、此の地に君臨する樒。


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