あひるの仔に天使の羽根を
§第4日目

・異変2

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天使が指差した先には、水面に浮かぶ"何か"。


その子が泣くから。


ぽろぽろと純な滴を零すから。


だから――


私は水面に飛び込んだ。


水面に浮いていたのは一冊の本。


ぷかぷかと浮いている。


もう少し。


もう少しで手が届く。


指先がそれに触れた瞬間、


突如私の足に違和感を感じた。


思わず、透き通る水面に目を落とせば、


何かの生き物が足に纏わり付いていて。


魚――?


否。


血色の肉の塊。


そこには白い翼がついていて。


それは肉の表面の裂け目に

びっしりと生えた尖った小さな牙を向けてきて、



私の足に齧り付いた。


激痛!!


そして――


恐怖!!


悲鳴を上げて手足を振っても、激痛は増して。

水面は赤に染められていく――。

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