ロゼッタ

2 道程




「……ミス・ローズマリー」

「……」

「…ミス・ローズマリー!」

「ぅお!な、なんだ!」

「なんだじゃない!ったく…何回呼ばせるんだ…」


車の窓を開けて顔を出していた少女に声をかける。
命を狙われているというのに、なんとまぁ緊張感のない。


「お前なぁ、命狙われてるんだぞ?」

「分かっている。でもそれは車の中にいても同じことだ」


たしかに。
と十二歳の少女に二十五にもなる自分は納得させられてしまった。

ちょっとだけ悔しがっていると、今度は少女から俺に話し掛けてきた。


「なぁヒイラギ、私はお前のことが知りたい」


大きな目をキラキラと輝かせながら言い放つ少女に、思わずたじろぐ。
何だかそこら辺の強いマフィアより迫力がある。


「あー…俺のことって、例えば?」

「んーそうだな…名前、身長、年齢、趣味…それから、」

「はいはい」


指を折ながら数える少女は、年相応に見える。
やっぱり子供は何にでも興味を示さないとな。


「名前は柊・エンドウ。身長は188センチの二十五歳。趣味はタバコ。以上」


淡々と質問に答えると、少女はつまらなそうに頬を膨らませた。

何だか申し訳ない気もしてきたので「お前は?」と質問を返す。
すると少女は少し照れ臭そうに返事をした。





.
< 5 / 18 >

この作品をシェア

pagetop