その先へ
「アハハハハ」


突然フミナが笑い出した。一斉に彼女の方を向く。


「ど…どうした?壊れたのか?」


ユーヘイが恐る恐る尋ねると、


「違う違う。何かおかしくって。こうやってみんなで道に迷うまで走りまくるとか、こんな綺麗な桜に出逢うとか。ドラマかって!!」


そう言いながら笑いが止まらないフミナを見て、みんなも笑った。


「そうだよね。来年の今頃はハゲ原に見つかったって怒られないしね」


カンちゃんがそう言うと淋しいと思ったのか笑い声が止み、しんみりした空気が流れた。



来年の今頃どうしているのだろう。

僕はどこを歩いているのだろう。

今こうしてみんなでいることが夢のように思ってしまうのかな。
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