その先へ
木漏れ日

第1歩

桜も散り、桜並木は綺麗な緑道となった。
始業式から約1ヶ月、クラスはピリピリした空気が漂っていた。


「静かにして!!今日中に決まらないと2組はどこにも行けないのよ!!」


級長、フミナの言葉にクラスが静まり返った。


「だーかーらー!!ボーリングでしょ!?」

「はぁ!?ユーヘイ馬鹿じゃない!?カラオケ!!」

「カンちゃんの方が馬鹿じゃん!?そんなの放課後行けよ!!」

「ボーリングだっていつだって行けるじゃん!!」

「2人とも落ち着きなさいよ!!」


ユーヘイとカンちゃんの言い争いに割って入るフミナ。
2人が争っているのは再来週に迫っている遠足の話だ。


桜城高校は5月になると2年生は修学旅行へ3泊4日、1年生はオリエンテーション合宿へ2泊3日行くことになっている。

3年生だけ何もないのは可哀想だということで1日だけ遠足という行事が設けられた。

それぞれクラス単位で行きたい場所を自由に選んで良いことになっているのだが、我らが2組だけまだ決まっていない。

それもこれも遠足でボーリングやカラオケに行こうと譲らないユーヘイとカンちゃんがいるからだ。
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