悲しみの連鎖
真紀は
すくすくと
素直に育ってくれた
私を慕ってくれる
本当に
可愛いくて
可愛いくて
しかたがなかった
私が二十歳手前で
ついに
二人で暮らし始めた
施設での暮らしは
何不自由なかった
なかったからこそ
出たかった
私には
心に決めた
しなければならないこと
があったから…
温かい
ぬるま湯に
浸かっているような
そんな暮らしから
出なくては
忘れてしまいそうだったから…
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