田舎の花~原爆を生き抜いたシイエ~
シイエの家に着いた篤子は頑張った

生まれたばかりの赤ん坊を見てシイエはか細い声で

「かわいかねぇかわいかぁ…」

と繰り返しつぶやく

篤子はシイエとのわずかな時間をシイエを笑わせる事に専念した

弱々しいながらもシイエの笑顔が見れて篤子は満足だった

「じゃあそろそろ帰るけんね!ばあちゃん…早う元気なってくれんば!また来るけんね!」

そう言って車に乗り込み手をちぎれんばかりに笑顔でふり続けた

篤子はそこからは振り返らなかった

シイエの最後の姿を目に焼き付けて…

高速に乗ってから思う存分泣き叫んだ
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