田舎の花~原爆を生き抜いたシイエ~
しかし…

幸せな時間も長くは続かない運命にあった

ついに初五郎の元にも赤紙が届く

初五郎はまだ二十歳そこそこのシイエに体が弱い妹と二人の息子を任せて戦場へ行くことをためらった

しかし国からの礼状に逆らうすべはなく…

初五郎は戦地に向かう前に子供達を連れてシイエの両親に挨拶に向かう事にした

シイエは久しぶりの里帰りを素直に喜んだ

初五郎がシイエの田舎に来たのは初めてだが…美しい段々畑があり海も山も空気さえ澄み切ってとても気に入ってしまった

ここなら戦場になることはないだろう

初五郎は出征の時まで田舎にとどまりできるだけ心をおだやかに過ごした
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