好きな気持ちが溢れて


「あぁ、ちょっとな。だから高校の時みたいにそんな遊びに行けなくなってるんだ」

詳しい場所だとか内容は告げずに表面的だけ義務のように話す

天野自身も正直そこまで興味はないようで軽い感じで頷きを繰り返した

「そっかそっか、どーりで最近メールの返信が遅いわけだ」


穏やかな口調で柔軟に納得してくれてる風を装いながらも、返事が遅いことに対して確実に怒りを感じてる天野はテーブルに置いてある俺の携帯電話を顎をしゃくって鋭い眼光で睨みつける

いつもそうだ、天野は自分の思った通りに事が運ばないと露骨に感情を表す

「……悪い、すぐには返そうと思ってるんだけど」

「いいっていいって。無理すんなよ。バイト、大変だろ?あ、でもだからって遊ぶのを辞めるなんて野暮なこと言うなよ?ほら、俺たちは”友達”なんだから」

な?と肩を組まれながら目を合わせられたら自然と頷かなければいけない気持ちになる

そこそこ長い付き合いなんだと感じながらも深い絆は無い

ただ、俺は天野にとって出会った中の一人に過ぎない

でも、これからもきっとこいつから逃げられないんだ



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