逢いたい夜は、涙星に君を想うから。



――ガクンッ。



その強い衝撃が頭に走るとともに、あたしはハッと目を覚ました。



「……夢……っ」



頭が重く、鈍い痛みを感じる。もう何日もずっとだ。



あたしはお母さんの部屋の布団の中にいた。



かすかに残っていたお母さんの匂いはもう消えてしまったけど、



それでもお母さんの存在を感じたくて、ここから動きたくなかった。



浅い眠りの中、お母さんの夢を何度も見る。



暗闇の中、お母さんを探して歩き続けて。



だけど見つからない……そんな夢。
< 98 / 528 >

この作品をシェア

pagetop