TENDRE POISON ~優しい毒~
次の日の午後からも雨が降った。
天気予報では一日晴れだっていってたのに。
しかも今日は傘を持ってきていない。
そんなことをぼんやりと考えていると、
「鬼頭」
名前を呼ばれた。
神代だ。
「はい」あたしは無愛想に返事を返す。
「今日、数学準備室に来るように」
神代は腕を組んで、あたしを見下ろしていた。
あたしはふっと視線を逸らすと、神代の見えない角度でふっと笑った―――