TENDRE POISON ~優しい毒~

◆午前11時のキス◆


◆◆◆◆◆◆◆◆

鬼頭の家の近くのコンビニで僕は車を止めて、彼女の帰りをまこと待っていた。


まこは車の窓を開け放ち、タバコを吸っている。


「なぁ、さっきの……」


煙を吐き出しながら、まこは呟いた。


僕はまこの横顔に目を向ける。





「今度問題になったら、教師やめる覚悟だって本気か?」




僕はまこの横顔から視線を逸らすと前を向いた。


「うん」


「何でお前……教師は夢だったんだろ?」


少し苛立ったようにまこが小声で言った。


「夢……だったよ。でも、彼女をあんな目に合わせたのは僕のせいだ。彼女を護るためには夢だって捨てたってかまわない」


まこはせっかちにタバコを2、3口吸うと乱暴に灰皿に吸殻を押し付けた。




「彼女ってのは、鬼頭のこと?それとも楠のことか?」




まこの質問に僕の心臓がぎくりと縮み上がった。




< 216 / 494 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop