TENDRE POISON ~優しい毒~

―――

テスト一日目


空いた時間を利用して僕はまこに会いにいった。


鬼頭を預かっててもらったお礼を言うためだ。


控えめにノックをして、「まこ~」といつのもように顔を出す。


白衣を着たまこの背中がこちらを振り向く。


「何だ、お前か」


そう言って振り向いたその顔はげっそりと顔色が悪かった。


「ど、どうしたの!?」


「いや……ちょっとトラブル?」


「トラブルってどうしたの?何があったの?」


総じてそういったトラブルに強いまこをここまで落ち込ませるって、一体何があったのだろう。


「まぁ事故みたいなもんだ」


まこは大きくため息を吐くと机の上に頬杖をついた、


その横顔が妙に頼りなく見えた。


「事故って車でもぶつけちゃったの?僕でよければ相談に乗るよ。あ、友達に損害保険の外交員してるやつがいるんだ。なんなら、紹介するけど」


僕の言葉にまこはちらっとこちらを見ただけだった。



またため息を吐く。


「そんなんじゃねぇよ。でもサンキューな。どうにかするよ。で、お前は何しにきたの?」










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