僕の死に方

「ねえ、母さん」
 夕食の箸を動かしながら、問いかけてみる。
「もし仮に……万が一だけど、僕が死んだら、保険金ってどれくらい出るの?」
「なんだい? 急におかしなこと聞く子だねぇ。
……死ぬ予定でもあるのかい?」
「はは、まさか」
 そのまさかだよ、とはさすがに言えず、笑って誤魔化した。
「そうだねぇ……いくらくらいかなんてわからないけど、結構出るんじゃないかい?」
「そっか」
 やっぱり、自殺は駄目だ。
 もっと別の方法を考えよう。
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