僕の死に方
 藤見正信の様子は、朝からどこかおかしかった。
 そわそわしていて顔色は悪いし、息も荒い。
 汗をかいては、しょっちゅうタオルで顔を拭っていた。

 藤見正信を苛めていた人間達は、根が鈍感なのだろう、彼のそんな様子を不快だとしか感じていないようで、たまに舌打ちをしてそれを眺めていた。
 藤見正信に対する苛めは、今日もいつもと同じように行われるだろう。

 その時こそ、この計画に幕を下ろす時。

 僕の退屈な人生が、終わる時だ。
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